10-W. 介護サービスで無教育/訓練スタッフ採用をストップ! 071123 ml
高齢者&国民健康大臣(Maria Larsson)は介護サービスの人手不足に介護教育や訓練を十分に受けていない人が臨時でも採用されている事に強い懸念を示し自治体に改善を指示した。ほとんどのスタッフは高等学校などでの一般の看護や介護教育を受けているが実際の職場に適応した教育訓練を受けているものは全体の約70%に留まる。特に、最近の新採用では十分な介護の教育や訓練に欠ける人が採用されてきている。この現状を見て政府は介護分野で“質の向上や維持”がなされているか否かの調査に入った。
参考:(dnmaria larsson)
– 全国の介護スタッフ数は1997年で22.4万人が2006年には25.6万人と増加.
– 介護費用 2006年は83.6billion(836億クローナ). この額は自治体の全支出額
の9.3%に相当する.
– 介護分野は断然に女性(90%)の職場となっておりますが、徐々に男性も増え
ています. 男性のここ分野での就業率は1995に5.6%であったのが2006年で は
9.6%に増加している(増加の傾向).
9-3-W. 処方薬の国負担が上昇気味 (**See TEPS7) 071118
スウェーデン人が処方薬にかけた費用総額は310億Kr(換算x17円)でこの内、国の負担は約3/4、個人の負担は1/4. 総額を納税者一人当たりで見てみると年間約2900Kr(32300円)を払っていることになる。
今後の見通しでは、この費用が上昇すると見ている。その理由としては薬の価格アップと高齢者の寿命が延びている事などである。
参考:個人の年間の処方薬購入が上限(約2万円)に達すると、その後の個人負担はほとんどなくなる。 スウェーデンの薬局(公認薬剤師付)は全て国営でアポテーケット(Apoteket)と呼び全国、隅々に 配置されている。
9-2-W. 福祉の間違い支給と不正(詐欺)受給 (*See TEPS6) 071110
福祉分野での支給が正常に行われているか否かの検証する調査会である“不当支払代表団(Delegationen mot felaktiga utbetalningar)”が調査の結果を公表した。今回のは今までにない大規模な調査であった。
グラフを見ながら要約すると
福祉に関する支給額総額 5200億KR(換算はx17円)
不適当支給 3.8%、20億Kr(間違支給1.9%10億Kr + 不正受給1.9%10億Kr)
不適当な支給がされた率は3.8%とあるが、これが高率なのか低率なのかは言明は無かったが金額にすると莫大なものになり、今後の支給時の審査や不当者の取り締まりが必要とのコメントがされた。
グラフの説明は左が福祉支給総額、
右上写真 50% 不正受給(詐欺)、
30% 受給者の間違い受給
20% 担当者の間い違支給.
下グラフは間違支給の内訳:8.5%移民者 親保険9.7 アシスタント支援10.
児童看護手当(子供が病気の時の有給看護休暇)13.7 生活保護18.2
9-W.自治体の給食(高校生)、音楽教室、余暇活動の個人負担に格差 071110
スウェーデンは高等学校での学校給食、小中学生徒と高校生の音楽文化活動(学校外活動)、余暇活動(リダー付き.学校外活動)ではコミユーン(自治体)の管轄であり、給食は無料であったが、この数年、有料化するとところも出てきている。有料化しているところは高所得者が比較的多いところである。ストックホルムの県内の26コミユーンの内、給食料金を取るところは3コミユーンだけで料金は一食8-18クローナ(140-200円)、音楽文化では800-1950クローナ/半年(円換算x17円)、余暇では0-840クローナ/月とまちまちである. コミユーン間の比較で最高格差の例:高校生1年生と6年生の持つ家族で上記した学校外(授業後)の活動参加している場合の家族の負担額は、最高でWaxholmコミューンで年間19,980kr、最低額はNyhashamnコミューンで負担額は3,200 (dn karin.warne)
参考:ストックホルム県以外の県では給食はほとんどが無料を維持している。
8-W.OCED評価:スウェーデンは福祉政策で経済成長の安定化 071111
OCEDの最近の経済成長に関する統計によるとスウェーデンは経済成長が最も安定している国の一つであると報告されている。 その報告をまとめると: スウェーデンは貿易依存度化が最も高い国の一つであるために1990年代前期に起きた国際的経済危機を契機に経済は最悪状態に陥った。この不況期間に深刻化した失業や福祉対策に幾つかの税の改正(付加価値税、雇用主料金(AGA)所得税のアップ等)や福祉面での引き締め策がとられた。同時に公共部門での合理化が余儀なくされ、予算の大きな削減に福祉分野ばかりでなく教育、文化、軍隊での質の低下も指摘された。使いすぎの福祉に強い批判が出て、外国からもスウェーデン型福祉モデルが疑問視されたのもこの頃である。 結果的には与えられた条件の中で高い質を維持する努力がなされたと、多くのところから高く評価されているのが一般的です。その後、スウェーデンの経済は上向きに転向して、現在はOECD諸国でも優等生の一国としての位置を維持しています。これも1900年代前期からの危機を教訓としていち早く対策を打った証しとも言えます。スウェーデンの福祉政策は党派を超えたイデオロギーであり、揺るがざるものであるとも言えます。
参照:グラフはGDPの変動. 青ラインはOCED in Europe, 緑棒状はSweden (DN Grafik.Johan Jarnstad)
7-W.国民党(Folkparty)内で親族手当が検討されている。 071019
連合与党の国民党内では、家族や配偶者の自宅介護負担が増加傾向にあることを問題として、介護者をサポートする親族手当金(Anhorigpenning)と呼ぶ支援支給策を検討している。 同党では、この他に、すでに他の連合3党と一致している介護付アパートの建設も強く推し進めている。 国民党によると、現在、介護を必要とする老人の80%が満足する介護サービスを受けていないという。
6-W-p.景気好調でも社会生活保護費用(Socialbidrag)が減らない. 070908
移民者や市民の生活をサポートするは地方自治体(コミユーン)の管轄であります。 近年の好調な景気にもかかわらず、社会生活支援の面での費用が減少していない。理由は移民者、特にイランからの移民が急に多くなってきているためです。社会生活保護に使われる年間の費用は約90億Kr(1500億円)この内、移民者に使われるのが20%強で2005年と比較して2倍近くの増加である。この為、自治体や県は国からの補助的な追加支給加を要求している。
6-W.認知症老人の増加で家族の負担が増す傾向。
社会庁(Socialstyrelsen )の調査によると認知症患者数は年々、その数を増しており、2005年の142200人から、この先、今の条件(現状の投薬、治療処置)で行くと2050には約250000人までになると警告を出している。この大きな原因は年々寿命が延びていることによる。 現在、家庭で介護を受けているのは軽、中症を中心として約8万人の認知症の老人がおり、この人たちは平均1時間(一日)の介護サービスを受けている。その多くが、配偶者など家族の人たちによって介護がされていて、その平均介護時間は6時間と言う数字も出ている。最近は重症者の家庭介護が著しく増え続けているのに公共の介護サービスはわずか0.5時間ほどしか増えていない。 重症者の家族の介護時間は週16時間にもなり、特に配偶者の負担がおおく増している。社会庁報告では配偶者の負担は、もう既に限界を超えていると指摘している。費用も増加しているが認知症者の増加率にはついて行けない状態が続いている。今後は、さらに介護施設の早急な建築増加の必要性を強く指摘している。
新政府はこの状況を重く見て法改正を急いでいる。
2007年度の緊急対策として、全コミユーンに120万クローネ(約20億円強)の“家族支援”の特別予算を組んだ。2008年も同額以上の予算が組まれる予定です。
現在さらに看護付き老人アパートが全国で約1400が建設中であります。
参考:報告によると2000年の認知症者数は133000だったのが2005年には142000と増加、費用は38 億クローナから50億(x17円)へと増加。56%に相当する7.5万の認知症者が介護付アパートに住んでいたのが、2005年には45%に相当する6.4万人と施設での介護が減少していた。 (Utredare Docent Lenarth Johansson,elin-anna.labba.dn)
5-W.住居補助支給条件の改正 070901
低所得者の住宅(住居)補助の支給条件が改正された。支給条件は複雑化していますが、主な改正点は次の3点となる。
1) 収入があるが最低ラインより低い、子供がいる29歳以下の低所得者
2) 早期年金者や65歳以上の年金者受給者で年収130000SEK(税込約200万円)以下で家賃が月4000SEK(約6万円強) 以下であること。(maria.crofts.dn)
参考: - この制度ですと低所得者が年金生活に入ると収入が増える場合もある。
- 年金者の住居補助金はBTP (Bostadstillägg till pensionärer)という。
4-W.保険金庫リハビリ予算を縮小し職場復帰のテンポを速める。070817
スウェーデンでは従業員が仕事が原因で身体的、精神的障害症状に落ち入ると、会社と国がリハビリのサポートをします。 例えば、従業員が仕事が原因で背中や腰の痛みを感じ、仕事の継続に支障が生じた場合には、会社はその従業員に対して、何らかの適切な支援処置を取らなくてはなりません。よくあるケースは従業員の作業姿勢(作業上)の原因で背中が痛くなった場合に、姿勢矯正用のイス、テーブルを用意する必要があります。 先天的な身体的病状(仕事が原因でない)や精神的症状(うつ病など)に関しては医療関係や保険金庫の指定契約されたスペシャリストや施設でリハビリが行われます。
新政府は予算に合ったところのリハビリの指定業者を5社に絞り(以前は相当の数の小中の会社があった)、予算も160m.krから100m.krに縮小した。 代わりに、効果的なリハビリと称して早期的な職場復帰目的のリハビリに焦点を合わせ復帰のテンポを速めようとしている。(dn070817)
注:この予算縮小や条件変更に医療.リハビリ関係者が猛反発をしている(4–1)
3-W. ボランテイア団体の介護サービス運動の奨励 070730
連合新政権(右派中立)の看護医療分野での行政担当はキリスト民主党がコマンドをとっている。党首で社会大臣のGöran Hägglundは介護サービスでの広範囲な選択の可能性を広げる為にはボランテア団体の業界参入を今後押し進めて行く意向を示しました。 スウェーデンはEUの諸国の中でもボランテア団体などの介護サービス業界の参入が難しいとされている。 今秋にも大臣は教会組織を含むボランテイア組織団体の代表者を招待し介護サービス業界参入を勧める為の国のバックアップ体制の意向説明会を設けるとのことである。
2-W. 大規模介護サービス会社に歯止めを! 070709
スウェーデンの老人介護サービスの私営化がこの数年間急速に進んでおります。このサービス会社の著しい躍進傾向に対して協同組合団体関係者(小規模介護サービス会社からも)から強い不満が起きています。右派中立の連合政府はすべての分野で“選択の自由”を大きな政治スローガンに掲げています。 介護分野でも自由競争を推し進めているが、大規模会社の躍進に頭を悩ましているのが現状です。 小中規模会社、組合運営、団体運営が介護サービス市場で大規模会社にどう立ち向かうことができるかの法の調整を思案中である。(小規模サービス業者の参入によりサービスの質の向上が競争原理でアップするのではないかと言う期待感があると思われる) (Svd。Per Fontin(MD) Kopperative Inst.)
1-W. 看護、介護サービス約束違反は法廷へ 070602
看護、介護サービスの実行する期日が自治体(担当者)と当事者との間に約束されたが、それが延滞された場合には、国はその自治体に違約金を国に支払うことを課することができる法が昨年の9月1日から施行されている。例えば老人介護、児童保護、障害者ケアが適用分野にあたります。違約金は一件あたり10万–1百万クローナ(160万-1,600万円)。この法が施行されてから、すでに3500ケースのクレームが報告されている。地域(県)によってクレーム申請の数に大きな差が出てきています、これは、クレームの判定に戸惑いがあり、一律化した基準がまだ確立されていない為と思われます。基準が整うと法廷判定に委ねるというクレーム数は減少すると思われます。県別のグラフを参照ください。左側の数字はクレーム数、真中の小さい数字が法廷判定に行った数で、グラフがその率です. ほとんどのケースは訴えが生じてから裁判にゆく前に対処されていますが、その数は地域によってまちまちです。現実的に法廷で違約金の支払いを命じられた自治体は具体的な基準レベルの程度を知ることができ、同じようなケースは次から避ける様になり裁判沙汰が減少することになると思われます。(helena.gunnarsson dn)
38. 小規模会社はジェンダー社内調査の実行を回避 080201
スウェーデンの職場で男女均等計画と賃金表の作成を3年毎に義務付けようとする新法をジェンダー大臣か提案しています。 これに対して小企業団体が複雑すぎる、必要性がないと強い反対をしており、従業員25名以下の会社はこれを避けることになりそうだ。しかし、ジェンダーオムブツマン(JamO)は不満を示している。従業員25名以下規模の職場はこぼは小さいが数にしたら絶対的に多くの人が働いており、ジェンダー的不平等の問題が多くあると批判している。
37.女性就業者10名の内、4名がパートタイム 080216
スウェーデンの女性就業者10名の内、4名がパートで働いています。男性のパートタイム率は約10%で比較的に年金適用年齢者(61-64歳)と60歳近くなった人がこの制度を利用するです。職場は公共、企業とも大差がありません。育児、介護、勉学、趣味などまちまちの目的が理由ですが、起業を始めた人が安全収入確保のために半日をパートタイムで働くという形でこの制度を利用している人も少なくありません。
スウェーデンのパートタイム就業者は失業保険、年金積立、労働、賃金、その他の雇用条件等はフルタイム従業者と全く同一な条件を得ています。パートタイム制度はごく一般的に労働市場で浸透しており、フルタイム労働8時間x80%のパートが最も多いようです。特に年配の女性層にパートが広がっています。
ただ、マイナスとなるのは低所得者層のパート労働は年金の額に影響されることになります。年金額には天井額がありますから、高所得者がパートで働いても年金への影響はなくなります。 (dn maria.crofts)
36 . Swedish Women’s Empowerment 080117
スウェーデン女性の社会的地位を示すシンボル的な写真が日刊新聞Dagens Nyheterの第一面にでた。 南スウェーデンの犯罪グループ(と言っても移民中心の僅か数十人組織の麻薬、タカリ等を同じ移民者のレストランを中心にやっている)が、裁判中の女性検査官の自宅のドアにピストル銃撃をした事件が発端で、事の重大性を感じ取った女性法務大臣Beatrice Askは他の同様なグループを徹底的に調べる為に全国犯罪警察(警視庁)、県警察、安全(秘密)警察、国際検察、経済犯罪局からの6名の最高責任者を代表とする調査会を結成した。その6名の責任者の内4名が女性である。大臣も入れると7名中5名が女性である。
35.家庭内の不均等労働が女性の健康や体調を崩す。 080113
職業を持つ女性の家事育児の負担がどのように影響しているかの研究結果が注目されている。ヨーテボリー大学の研究者を中心に調査され、約1000名の女性からアンケートを取って分析したものです。その主な結果は、調査対照の女性の約半分が不均等感を感じており、家庭内の均等が職場や社会での均等化よりも進んでいないと感じている。これが続くとイライラが募り不健康や体調を崩す原因ともなる(Carin Stalland. Gtb. Univ.)
ここにTCO(ホワイトカラー組合)FK(消費者組合)等が行った意識調査アンケートを参照すると:
– 96%のスウェーデン人は父親母親が均等に育児をすべしと思っている。
– 約45%の女性、37%の男性が家事の分担に不平等感を持っている。
– 2%の女性と4%の男性は、男性が家事を女性より多くやっていると思っている。
– 48%の女性が時間的に家事を思うように遂行できずイライラ感を持っている。男性の方は29%。
– 64%の女性(母親)が子供の病気の時に看護休業をとる。
– 男性の方が週8時間ほど女性より労働時間が長い。 (DN080113annika.carlsson)
34. 女性の社会的地位(Gender Empowerment)の均等化が進む 080113
スウェーデンでの女性エンパワ–メントは世界でも最も進んでいると言われている。
スウェーデンの大きな目標は国全体で少なくとも女性のエンパワーメントが40%に到達することです。政治界ではほとんど均等化の目的が達成されており、組織団体、行政管理のトップポジションでも均等化が進んでいる。ただ、目立ち易い(最高上層部)トップ・ポジションには女性の起用がこの数年著しいが、次の下のクラスのキイ-・ポジション(部長クラス)にはまだ男性の占める率が多すぎるとProf.Anit Goransson.Gtb Univ.は指摘する. 国家公務職での最上部でのエンパワーメントは女性が1/3、男性が2/3を占めている。 また議員の場合、国、地方の各政党の男女のバランスはほぼ同等のレベルにある。一般企業でのトップや幹部レベルでの男女均等にはまだ時間が掛かりそうである。(dn00080113)
33. ジェンダー均等の家庭浸透の速度が鈍すぎる!と研究者が警告 080104
ウメオ大学とミッテン大学の社会科学、経済学(ジェンダーに関する)教授や研究者6名の共同発表によると、ジェンダー均等が家庭の中に浸透している速度が遅すぎると警告する。父親が育児に携わる率は全体の20%、家事労働は女性の25%程度のレベルで足踏み状態が続いていており、女性の家庭内での負担はまだまだ大き過ぎると指摘。このままにしておくと、せっかく、ここまで築き上げてきた男女均等意識の盛り上がりが崩れてだし、そのうち、男女の生物的性差、習慣/伝統的性差が社会の常識とか当然のことになって元に向かって逆進行してしまう危険さえもあると警告をしている。
今後のジェンダー政策を推し進めて行くには、家庭内での更なる均等化に導く、強い行政が重要であると結んでいる。(Prof.B.Hallerod Prof.M.Nordenmark DN080104)**
32. ドイツの父親の育児休業が予算を超える程の人気! 071225
ドイツ(人口82百万)の出生率の減少は深刻化してきており、その打開策としてスウェーデンのモデルの家族政策を導入した。この結果、今年出産した子供の父親の10人に一人が数カ月の育児休業を取り、その費用は予算の130m.Euroを既に大きく越え超えてしまった。(父親がどの程度の率を占めるかは不明)
ドイツの新しい親保険の主なる条件は;
1)父母のどちらかが12ヶ月の有給育児休業がとれる。
2)この期間中、納税後の収入(ネット)の2/3(67%)が支給される、ただし、最高額は1800Euro まで
3)他に(片親(ほとんどが父親)が休業日を取らなかった場合、2か月のエキストラ休業日をとることが可能(DieWelt-TT-Reuters071225